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重曹の歌 

漢字で書くと重炭酸曹達の重と曹から

原曲 マルティーニ「愛の喜び」

重曹はね または重炭酸曹達(ソーダ)
でも長いから 重曹になった

重曹はね またはベーキングソーダ
熱いと パンが膨む

重曹はね 炭酸水素ナトリウム
昔から 胃薬になります

解説

化学式 NaHCO3

英語名 sodium bicarbonate, sodium hydrogen carbonate、baking soda

重曹は「炭酸水素ナトリウム」「重炭酸ナトリウム(ソーダ)」「タンサン」「ベーキングソーダ」などたくさんの別名があります。

重曹の化学名は炭酸水素ナトリウムですが、炭酸ナトリウムより比重が重いという特徴があり、「重い炭酸ナトリウム(ソーダ)」なので「重炭酸曹達」と名づけられました。 これを略して「重曹」となったわけです。
(昔はソーダに「曹達」という漢字を当てていました)

ナトリウムとソーダ

「重曹」の化学名は「炭酸水素ナトリウム」ですが、「重炭酸ナトリウム」「重炭酸ソーダ」「ベーキングソーダ」という呼び方もあります。同じ物質なのに、なぜこんなにいろいろな呼び名があるのでしょう?

これは、英語とドイツ語から由来した呼び名が両方とも使われていることが一番の原因です。たとえばNaの正式な元素名「ナトリウム(natrium)」はドイツ語。これが英語になると「ソディウム(sodium)」となります。単体のナトリウムが何かと結合して「ナトリウム化合物」になると、英語で「ソーダ(soda)」と言います。

日本では、理化学分野ではドイツ語の「ナトリウム」、工業分野では英語の「ソーダ」を用いることが多いようです。これは明治時代に、どの国からその技術を導入したかによってそれぞれの分野で違う呼び名が定着したのだといわれます。

重曹(ベーキングソーダ)とベーキングパウダーとの違い

重曹は水を加えるだけでは炭酸ガスを発生しません。

重曹は加熱する、あるいは酸性の液体と混ざると、炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)と水と二酸化炭素(炭酸ガス)に分解します。この炭酸ガスが、生地をふくらませるのです。

ベーキングパウダーは重曹にクエン酸などの酸を混ぜてあるため、水分と混ざるとすぐに炭酸ガスが発生します。
重曹を使うと生地が黄色っぽくなったり独特の苦味が出たりしますが、ベーキングパウダーは重曹の色や風味を目立たせずに生地を膨らませるよう工夫されています。

重曹の特徴

水溶液はpH8.2(2%、20℃)のごく弱いアルカリ性を示します。

人体に無害な物質で、食品添加物(ふくらし粉など)や医薬品(胃薬など)として古くから利用されてきました。

粒子が細かく、水に溶けにくい性質があります。

加熱すると分解して炭酸ガスを発生します。

常温では安定しており、長期保存が可能です。

重曹が得意なこと

粒子が細かく水に溶けにくいため、クレンザー(磨き粉)として使えます。

酸性物質の臭いを中和して消します。冷蔵庫や生ゴミ箱、靴箱等の脱臭に使われます。

重曹を溶かした重曹湯は、血管を拡張し血行を促進する働きがあり、入浴剤の主成分です。

ふくらし粉やワラビなどの山菜のアク抜き、松の実などの臭み取り、肉料理の下ごしらえなどの料理に利用されています。

鍋のコゲ落としに。重曹と水を鍋に入れて熱すると二酸化炭素の泡が発生。その力でコゲを浮かせることができます。

重曹には主に「食用」(純度98~99%)「工業用」(純度95~98%)「医療用」(純度100%)の3種類があります。

炭酸水素ナトリウムの熱分解

加熱により、炭酸ナトリウム、二酸化炭素、水に分解する。
2NaHCO3   →   Na2CO3 + H2O + CO
(炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+水+二酸化炭素)

粉末は270 ℃で分解し、水溶液は放置しておいても徐々に分解していくが、65 ℃以上で急速に分解する。

重曹が炭酸ナトリムになるとpHが上がります。(pH8.2→11.3)

pHが1変わると、酸やアルカリの液性が約10倍変化しますから、重曹が炭酸ナトリウムになるとアルカリ性が約1000倍になります。

冷却しても重曹には戻らないのでpHも戻りません。

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