本文へ移動

中和の歌 

原曲:ゴセックのガボット

石けん作りは 中和 チュワ
シャンプーリンスも 中和 チュワ
食卓塩も 中和 チュワ
強酸温泉 中和 チュワ

トイレの臭いも 中和 チュワ
お靴の臭いも 中和 チュワ
胃液のクスリも 中和 チュワ
畑の肥料も 中和 チュワ

ミカンの缶詰 中和 チュワ
スティックのりも 中和 チュワ
入浴剤も 中和 チュワ
酸と塩基で 中和 チュワ

中和作用

酸と塩基(水溶液がアルカリ性)が反応して、互いにその性質を打ち消し合うことを 中和 といい、塩(えん)と水を生成する化学反応を中和反応と言います。

私たちの身の回りには、酸性や塩基性を示す様々な物質があり、それらを中和反応させることでより快適な生活に利用することができます。

中和反応を利用したものには、石けん、消臭剤、土地改良剤など私たちの身の回りに様々なものがあります。

 

塩(えん)と塩(しお)

塩(えん)というのは、酸と塩基のイオンが結びついて(中和反応)できた化合物の総称。

例えば、炭酸ナトリウムは、炭酸イオン(酸性)とナトリウムイオン(塩基性)が結びついた塩(えん)です。

酸、塩基の物質は無数にありますから、「えん」も無数にありますが、塩酸(酸性)と苛性ソーダ(塩基性)という組み合わせから出来た「えん」は化学的には「塩化ナトリウム」で、一般的には「しお」と呼ばれています。

「しお」は、無数にある「えん」の一種類ということです。

 

ナトリウムと食塩相当量(塩分)

「ナトリウム」はミネラルの一種で食塩の成分の一部であり、「ナトリウム量」=「塩分量」ではありません。

最近では、食品のパッケージに栄養成分表示が義務付けられており、ナトリウム量または食塩相当量が表示されています。

ナトリウムは高血圧などの原因となるため、国際的には食塩ではなく、ナトリウムでの表示が求められています。

食塩相当量とは、食品に含まれる「ナトリウム」の量から食塩の量を推定、「ナトリウム1gは2.54gの食塩に相当する」とし、食品に含まれているナトリウム量を食塩の量に換算した値です。

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」は1日当たりの塩分摂取量の目標量を食塩相当量として、18歳以上の成人男性では7.5g未満、同じく女性では6.5g未満と定めています。

 

参考サイト

NHK高校講座 化学基礎 第30回 中和反応の利用
https://www2.nhk.or.jp/kokokoza/watch/?das_id=D0022150090_00000

生活の中の中和反応~身近な科学の話②
https://www.chugakujuken.com/koushi_blog/sawada/20220401.html

 

曲の解説

●石けんは、油脂(酸)と水酸化ナトリウム(塩基)の中和反応でできた塩(えん)です。

●石けんで洗って塩基性に傾いた髪をクエン酸や酢などの酸性のもので中和します。

●酸性の塩酸(HCl)と塩基性の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液とを混合すると,塩化ナトリウム(NaCl 塩・salt)と水(H2O)が生成されます。
HCl + NaOH → NaCl + H2O

●玉川温泉(pH1.2・秋田県)や草津温泉(pH2.05・群馬県)のお湯は強い酸性で,そのまま川に放流すると環境に悪影響を与えるため、強い塩基性を示す石灰を川に投入して中和反応を起こし,強い酸性を緩和しています。

●トイレの臭いの原因はアンモニアで、アンモニアの水溶液は塩基性を示しますが,酸性のクエン酸で中和させることにより,アンモニアが中和されてクエン酸三アンモニウムという臭わない物質に変化します。

●足の臭いは酸性だから,塩基性の重曹が臭いを中和して抑えることができます。

●胃液は塩酸が主成分で,pH が 約1.5の非常に強い酸ですから、塩基性の重曹(炭酸水素ナトリウム)で中和して酸の働きを抑えることができます。

●畑の土壌を改善するときにも,酸性を示す畑の土には,塩基性の石灰や消石灰などを混ぜて中和させる場合があります。土壌のアルカリが強い場合には酸を加えます。

●みかんの缶詰を作るときにも、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液で塩化ナトリウムができる中和反応が利用されます。
内側の薄い皮ははじめに希塩酸溶液(約0.5%)につけて溶かし、そのあと希水酸化ナトリウム溶液(約0.3%)で中和させてシロップとともに缶詰めにします。

●塩基性で青色のスティックのりは、中和されると無色になる pH 指示薬が入っていて、空気中の酸(二酸化炭素)で中和されて透明になるという仕組みです。

●発泡入浴剤は、弱塩基性の重曹(炭酸水素ナトリウム)とフマル酸などの強酸との中和反応で泡(二酸化炭素)がでる仕組みを利用しています。

TOPへ戻る